さて、今回のお題はベルグドル。
光出力された部品を受け取った時の感想は主に2つ。
まず最初は開発担当者と同じく、でか!!でした。
事前に予想していたとはいえ、実際目の当たりにすると複雑な気分です。
大きさゆえの制約や条件が頭の中で回り始めました。
その時点で、関節の構造は複雑な事を避け、単純かつ頑丈、
出来るだけ少ない可動箇所(代わりに大きいのを入れる)で
豪快に可動させなければならない。
この方針が決まっていました。
加えてOT・ライデンでの反省も踏まえた上で、
「可動軸を一箇所に絞った代わりに、
それを最大限可動させる為の引き出し構造」など、
以前にこちらで紹介されたアイディアがまとめられていった訳です。
もう一つはプロポーションの変化でしょうか。
プラキット開発の為に提供して頂いているハイエンドCGはいつも
最新版と聞いていたのですが、今回はそれが特に顕著な感じでした。
以下は私見なのですが、
ゲーム版では中量級然とした細身の機体に巨大な頭とミサイルコンテナ。
ワンマンレスキューでは全体的にがっしりして、より重量級よりな姿に。
前者は転倒しやすいという特徴をデザインでも表現していて、
後者は量産型・火力支援機というイメージを強く押し出していたように覚えています。
今回の最新版ではこの二つの中間辺りを狙ったようにも思えます。
人型ロボットとして素直に格好良い!と思う一方、
こんなに格好良くてベルグドルとして認められるのだろうかと
若干不安に駆られたのも事実ではありましたが。
諸々完了してみれば、ゲーム版のプロポーションでは
今と同様の関節を仕込めたか正直自信がありません。
また、ワンマンレスキュー版では各ブロックが大きすぎて、
よしんば今ほどの可動範囲は取れたとしても
プロポーションの「人型から外している傾向」が今より大きいので
動かしたときに不自然に見えてしまうかもしれません。
というか総重量が増えて腰から下の関節が益々危険な気がします。
そういう意味では落とし所として最適だったのだな、と今では思っています。
ところでベルグドルにはもう一点、重要な要素があります。
実は光出力を受け取った時点では、ミサイル箱は
「格納時のセット」と「展開時のセット」の二種類となっていました。
これをそのまま原型に仕上げたのでは、当然ミサイルは
箱そのものを取り替える仕様になってしまいます。
ここもOT・ライデンからの反省点で、差し替えパーツを
最小限にしようということになりました。
製作方法としては結局、
「展開時のセット」を更に解体、再構成して現在の組み替え仕様として作っています。
組み替えやすさや各部の強度確保、形状再現の見極めどころで苦心しましたが、
その甲斐あってフレーム構造やランチャー基部のメカディティールなど
見応えのあるものに仕上がったと思っています。
原型の担当として語れる思い出話としては、
差し当たってこんなところでしょうか?
それでは皆様、今月発売のSAV-07 ベルグドル宜しくお願いたします。