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「OT・ライデン/社内原型師インプレッション」

桑村 祐一[Kuwamura Yuichi]
株式会社壽屋 企画部開発課原型係所属[変わった形のメカ担当]
普段の業務はメカ班にて原型や完成品の製作などを。好きなバーチャロイドはバルバドスとか、見果てぬ夢を見ています。普通のメカもちゃんと好きですよ。


はじめまして、コトブキヤ・原型部門の桑村といいます。

発売を待ちに待ったOT・ライデン! 購入して頂いた皆さんは年末年始のお休みで組まれましたか?
僕もサンプルを頂いたので、早速組んでみました。 社内で色々話していたところ企画の根本に「じゃあ、ブログ用のコメントにまとめてみて」と突然頼まれまして、慌てて書いてみた次第です。

で、先ず、組んでみた感想としては、とにかくパーツ点数が多いです。
ただ、多いといっても無駄に多いわけではなく、色分け・形状の再現など目的を持って設計された分割が殆どですので、作業が進むにつれてその量にも納得していただけるのではないかと思います。

僕が一原型師として気に入っている部分は各部のクリアーパーツの表現で、裏側に格子状のモールドが施されています。 塗装完成品もこの部分は僕が担当したんですけど、このクリアーパーツの裏面にシルバーを塗っておくとより良い感じになります。 光が当たったりしたときに出る立体感がとてもナイスです!
特にOT・ライデンは正面から見た時のクリアーパーツの面積が比較的広く、その効果も大きいですね。 メタリック系のテープなどを使っても良い感じになるのではないかと思います。素組み(いわゆるパチ組)派の皆さんもここだけは是非やってみてください。

プロポーションについても完璧なものと思います。
ライデンは一般的な人型と比べ、

・胸~腰が極端に短い

・脚が極端に長い

・肩が極端に高い

など、五体を一揃い備えつつも明確な意図をもって標準から外し、その中でバランスをとっている節があるので、それを表現できたことは面白いと思います。 個人的にも、こういった変拍子が好きなもので。 無論ハイエンドCGからの立体出力のお陰なので、これは以降のシリーズにも期待できると思います。

また、個人的に不満点を挙げると、各部の可動関係が惜しい感じです。
単純な強度面では、肩口のジョイントがバイナリー・ロータス装備時に心許無い事や(それでも出来る限り大きいジョイント用意したとの事)、肘や足回りの関節に素で立ってる分にはまとまっていて綺麗なのですが、動かした瞬間にそれが崩れてしまい、可動範囲も少々物足りない感じです。 ボムを投擲した時の全身を捻って左腕を振り上げたポーズとか出来れば… などなど色々希望はありますが、そこは自分のライデンを趣味で作るときに取り入れようかなと妄想中です(笑)

仕事とは別に、以前バーチャロイドを個人でスクラッチしたことがあるんですが、ハイエンドCGで示された構造・デザインを損なうことなく可動を得るというのはかなり難しく(更に強度を伴わなければならない)、今後個々の商品に取り組むときの課題になりそうですね。

自分はハイエンドCG(3DCG)という限りなく立体物に近い二次元の画像を見て、絵に描いた餅とは正にこの事とか、遠い目をしていました。
それが文字通り現実のものとなりました。絵に描いた餅が、餅になったのだと。
OT・ライデンの開発中、光成型部品~原型、完成品、テストショットを見たときにそう思いました。

今回OT・ライデンについて「関わった者としての反省点」=「1ユーザーとしての不満点」を様々感じましたが、それらはライデンが立体化されたことの感慨と同時に自らを含めた反省点として、以後の原型製作や商品開発に活かしていこうと、現場の一端にいるものとして常に意識をしています。

その出発点となるOT・ライデンを応援して頂けますよう、宜しくお願い致します。

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