- 2010-03-05 (金) 10:00
- OT・10/80sp | 作例
前回から引っ張った10/80spのビームブレードの秘密が、今明かされる!!(←大げさ)
野/で、前回からの続きとなりますが、このビームブレードはどうやって作ったんですか?
森/正解は……次回の更新で!
野/…いい加減にして下さい。
森/す、すいません…。じゃあ改めて、正解は…これだ!!
野/歯ブラシ、ですよね…?
森/歯ブラシ以外に見えるのかよ?
野/いえ、歯ブラシにしか見えませんけど…また、なんで歯ブラシを…?
森/最初はオレも前回野内君が言ったみたいに色々な方法を考えたんだけどね。でも、複製は技術や材料も特殊だし、アクリル板って硬いけどその分もろいから作業中割れたり折れたりしたら、それこそ心が折れそうだからどうしよっかな~、と思ってね。それに厚いアクリル板だって普通は入手は難しいし、それをだいたいの剣の形に整形するのだって一苦労じゃん?
野/だからって歯ブラシですか…ノッポさんじゃないんですから…
森/き、貴様!ノッポさんをバカにするなッ!!モノを作りで大切なのは柔軟な発想、そしてなにより作業を楽しむことだと教えてくれたノッポさんを!…そんなノッポさんをバカにする貴様は…貴様なんかゴン太君だ!!
野/フゴッ!フゴフゴ、フゴ~…じゃなくて。すいませんバカにしたつもりはなかったのですが…。
森/いや、スマン、オレもついつい熱くなってしまったよ…。というわけで、なんかいい物ないかな~と考えてて、思いついたのが歯ブラシの柄というわけだよ。
野/確かに、クリアー成型されてますしね。それ以外の利点はなんでしょうか?
森/まずは入手のしやすさ、価格の安さだね。本当に色々な種類が売ってるけど自分が今回使ったのは「ハッ○ドラッグ」のプライベート商品で80円位だったかな?形も色も丁度良かったよ。これと同じじゃなくても、柄の部分がまっすぐで、ランチャーの銃身を包み込める厚みがあれば良いんだから、他にも良いのはありそうだね。あとは力をかけても折れないように、粘りのある素材を使ってることが多いから、クリアー素材としては丈夫で作業中折れたりする心配が少ないだろう、ってことも期待してね。
野/クリアーパーツは折れたりすると、どうにもなりませんからねぇ。プラモデル商品に使っているクリアー素材もその辺には気を使いますし。で、この歯ブラシの柄を削るんですよね?
森/そうそう、もうひたすら削るのみ。じゃあ、ここからは写真を見てもらおうかね~。
野/3は自作の道具ですね?
森/原型師の頃からず~っと貼り替えながら使ってる”板やすり”だね。これでエポパテだろうがポリパテだろうがプラ板だろうがバリバリ削ったもんだよ。
野/金やすりは使わないんですか?
森/使ってもいいけど、コントロールのしやすさという点では、個人的には板やすりの方がしっくりくるんだよなぁ。ダメになったら貼り替えればいいから手軽だし。削る時の注意点としては、やすりはただ早く動かすんじゃなくて、しっかり力を伝えるように意識すること。特に今回みたいに粘りのある樹脂は摩擦熱で溶けて削り辛いから、じっくりやることだね。じゃあ次は銃身をはめ込む部分の加工を見ていこうか。
野/これはちょっと難易度高目ですかね?
森/そうだねぇ、でも結局こういう形にしないと10/80のランチャーの場合しっくり来ないと思うんだよねぇ。銃口からいきなり生えるのってカッコ悪いでしょ?
野/確かに。注意点なんかありますか?
森/手作業でも丁寧にやればどうにかなるし、ゆるくなってもある程度は後で調整できるから、あんまりキッチリとはめ込みの精度を出すことに傾注しなくても大丈夫だよ、と。それより、なるべく削った表面を綺麗に保つことを意識した方がいいかな。本当は銃口の形に合わせて内部底面に山を作れればベストなんだけど、さすがに掘り込みだけではオレは無理だったわ。んじゃ次の工程は、剣としての形を出していくところね。
野/だいぶ剣の形になりましたねぇ。太さを調整する時にせっかく削り出した山(エッヂ)を一旦潰してしまうのはなぜなんでしょうか?二度手間のような気がするんですが…?
森/確かに、一発で欲しい形状を出せるなら斜面を削り込んでいって細くしていっても良いんだけど、良い感じの側面形、断面形に持っていくのに様子をみながら徐々に追い込むなら、このやり方の方が失敗が少ないし精度が出るんだよ。今回は削りすぎても盛れないからね。
野/なるほど。19の画像で、黒い縞を書いてますがあれは何の為ですか?
森/クリアー素材はどこまで削ったか分かりにくいからね。この工程では輪郭を形成する外側のエッヂには手を付けたく無いわけだから、余計なところまで削らないように目印として書いたんだよ。そこを全部削ったら削りすぎってことだからね。
野/全体を黒く塗ってはいけないのですか?
森/いけなくはないけど、全体を塗ると今度は黒とクリアーのコントラストが強くて、かえって調子が狂うから、あえて縞にしてあるのだよ。
野/なるほど~。なんかプロっぽいですね。
森/もう15年以上もまともに造型してないけど、テクニックは忘れないもんだな、と思ったよ。で、この工程を繰り返して理想的な形を出していく訳だけど、この段階ではエッヂは追い込まずに太めに残した方がいいね。
野/それはなぜですか?
森/これから表面を平滑にすべく仕上げていくわけだけど、その過程で微妙なうねりなんかも均していくから、この時点でエッヂを追い込みすぎるとうねりを均した時に逆にエッヂが歪んだりすることもあるからね。エッヂの調整は表面のうねりを均すのと同時にやるのが吉だろう。というわけで、そろそろ最終工程へ。
野/27でクリアーを塗ってますが?
森/内側は磨きにくいからね。時間も無かったし、だいたい凸凹が無くなったらクリアーを塗って光沢を再生することにしたんだよ。で、銃身へのはめ込みが緩くなっちゃっても、ここでクリアーを重ね塗りすることで調整することもできるよ。
野/これ、表面の方もクリアー塗装で光沢を出しても良いですね。
森/そうそう、今回は磨きで光沢を出したけど、#800の後でクリアーかけてもいいね。さらにクリアーブルーとかでグラデーションかけたり、蛍光顔料を使ってみたりいろんな表現をしてもカッコいいだろうね。
野/という訳で完成ですね!
森/今回は気軽に試してみてくれ、とは言えない感じになっちゃって申し訳ないな~、と思ってるんだけどね。でも無ければ作る、っていうのはモデラーとしての本能みたいなもので、思いついたら試さずにはいられないんだわ。まぁこれを見て「模型ってなんでも作れて面白いな」と思ってもらえればいいかな、って感じで。自分も上手く作れて満足したし。あー、気が済んだ(笑)
野/いいですね~、これ。…森さん、作って気が済んだんだったら自分に下さいよ!
森/嫌だよ!自分で作りな~♪…あ、そうか…野内君や。
野/はい、なんでしょう?
森/(あのな………)
野/(……ほほう)
森/たまにはそんなのも良いんじゃない?
野/了解しました!
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