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ハイエンドCG製作秘話

今回は森氏と有井氏による、『バーチャロン・ハイエンドCG』のお話です。プラモデルの元となったハイエンドCGはどのような考えを基に作られているのか…興味津々です!

有井 伸孝[Arii Nobutaka]
株式会社セガ プロモーション部所属[AM1→AM2→AM3→プロモーション]
「電脳戦機バーチャロン(OMG)」より現在までのバーチャロン・シリーズのパブリシティ・デザインを担当。今回もパッケージ関係を「がんばる!」らしい。 なんかオモチャとか大好き。


有/(……クスクス)

森/…おい。

有/あ。(笑)

森/「あ。(笑)」、じゃねぇよ。居るなら手伝え!

有/えー、だって森君が『ナビゲーター』なんだから、表に出るのは森君だけでいいじゃんー。

森/そうはいくか!ハイエンドCG仕上げてレンダリングしてんのは有井君なんだからお前もなにか語れ!!

有/そーゆーの苦手。

森/(まったくどいつもこいつも…)とりあえず、原型に着彩したものも公開されてるわけだけど、どうなのさ?

有/いやー、ライデンだなーって。

森/もうちょっとなんか言うことないのかよ! …しょうがねぇなぁ。じゃあ俺からネタ振ってあげるから少しはためになること言いなさいよ。

有/そーゆーの苦手。

森/それはもういいから!んじゃ、まず『ハイエンドCGの色』についてな。前回でも書いたけど、どの色もそれぞれ単なる赤や白じゃなくてCGなりの工夫をしてて、いつもすごくこだわって色を作ってるけど、どんなところに気を使ってる?

有/…そーだねぇ。今は違うと思うけど、当時のCGによる表現ってどうしても実際の立体物に比べて情報量が足りない印象があったから、色単体や色同士の相互作用が働くようにして、絵としての情報量不足を補うようにはしてるよ。

森/君はよく言ってるよね『情報量』の話は。じゃあ有井君の言う『情報量』ってのは具体的にはどんなものをイメージしてる?

有/うーん…『質感や量感の表現』っていうの?。単純に色味に変化を持たせて画面をにぎやかにするんじゃなくて、『絵』として成立するような行為かな。質感っていうのも『金属』とか『プラスチック』とか具体的な物体のことじゃなくて、どっちかっていうと、『油絵』とか『ペン画』とか、そういう手作業的なアナログ感みたいなもの~?筆のタッチや描線の強弱のつけ方から作家性が感じられるよーな?うまく説明できないけどそんな感じー??

森/いや、言わんとしてることはわかる。要するに有井君にとってハイエンドCGは『絵(2次元)』なんだな。で、『絵』としての完成度を上げる為に3DCGならではの手法を使ってる。俺にとっては『立体(3次元)』なんだけど、現実の立体物と比べて抜け落ちてしまっている情報量を補う為に『細かい面落とし』や『太くて真っ黒な筋彫り』とか3DCGだからこそ必要になった手法を編み出した。

いわば二人ともハイエンドCGを『2.5次元』の存在としてイメージしてるってとこかな。あ!で、コトブキヤさんにしろハセガワさんにしろ、プラモデルを監修をしたり色指定したりする過程で、ハイエンドCGの『3次元化』作業をしてる、ってことなのかもしれない。あそこまでCGそのままの形がプラモデルになると、もう人ごとじゃなくて二人で作ってきたハイエンドCGの延長線上にある存在っていうかね。うん、そういう位置付けとして考えるとしっくりくるな。

有/…森君…『二人で作ってきたハイエンドCG』だって~恥ずかしいぃ~。

森/え?えーっ!ソコなの?!!

有/大丈夫!だいじょうぶ~。まかしといてって!    

森/へ? あ、う、うん。…なにが大丈夫かよくわからんが… 今後もひとつよろしく頼むよ…

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