今回はハイエンドCGの『色』、そしてプラモデルとしての『色』についてのお話です…
どうもセガAM3研の森です。プラモデルの元となっているハイエンドCGの色については、ゲーム中の配色に基づいて自分とパブリシティ担当の有井が相談しながら色味や質感を決めています。ハイエンドCGモデルは自分を中心としたCGモデラーがモデリングを、有井が色やマーキング設定&レンダリングを、という役割分担で制作されています。
つまり、みなさんが目にしているハイエンドCGは全て有井が仕上げてレンダリングし、発表されたものなのです。思えば有井とタッグを組んで一連のハイエンドCGを作り続けて、ずいぶん長い時間が経っていますね…。それはさておき本来、色については有井が語るべきなんですが「そーゆーの苦手ではずかしー」という、とても30代の男が言うこととは思えない理由で出てこようとはしないので自分が解説します。ハイエンドCGの色は一色ごとに
■スペキュラーカラー/光が当たって明るくなる部分の色
■ディフューズカラー/基本となる色
■アンビエントカラー/陰になって暗くなる部分の色
という三つの要素によって構成されています。OT・ライデンの赤でいえばスペキュラーに『青』の成分が強めに入っており、光が当たっている部分が若干紫色になるような設定にしてあります。試しに以下のように設定するとこのような物になります。
■スペキュラーカラー/黄
■ディフューズカラー/赤(OT・ライデン基本色)
■アンビエントカラー/緑
現実の塗料でいえばマジョーラカラーみたいなものですかね。そこに更に反射率やハイライトの入り方の強さ等の設定を加え、CG映えを考えた色になっています。決して『単純な赤』ではないのです。模型用の色指定(成型色も含む)も自分と有井が行っていますが、毎回『DIC』や『Pantone』といった色見本帳とつき合わせ ながら、CGと比べて違和感が無いか、各色同士のバランスは取れているか、立体映えはするか等々、この色ならばプラモデルとして充実した物になる、というところを目指しています。
なにがなんでもCGと同じ色にする、ということではなく『プラモデルとしてのOT・ライデン』にふさわしい色になるよう、『色をコンバートする』というイメージでしょうか。わかりやすいところとして、赤に関しては顔料で青味を加えるとくすんで汚らしくなってしまうので、あえてディフューズカラーを基準にした若干朱色寄りの赤に指定しました。この色は安定した良い発色をしてくれますので、無塗装でも立体物として気持ちの良い色になっていると思います。ですから組むだけでも十分格好良いOT・ライデンが手に入るのですが、だからと言ってこの色がプラモデルとして『ただ一つの正解』というわけではありません。
ここから更に青パールをかけてCG風の色表現を目指してみるもよし、クリアー研ぎだしでピッカピカの鏡面仕上げにしてもよし、逆に半つや、つや消しでCGとは違った表現をしてみるもよし、もちろんまったくのオリジナルカラーもいいですね。模型の楽しみ方は様々です。自分だったら…ガサガサのジャーマングレーのつや消し +ダメー ジ表現とかで重戦車みたいなイメージで作ってみたいですね。とか言ってると、本当に作ることになりそうでアレですが(笑)
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