- 2008-10-18 (土) 10:00
- メッセージ
「第48回 全日本模型ホビーショー」会場でコトブキヤ バーチャロン・プラモデルシリーズ第2弾、電脳戦機バーチャロン(OMG)より「テムジン(Ver.1P)」が発表されました!!
以下、今回のリリースの報に際してVO(バーチャロン)プロデューサーDr.ワタリからメッセージをいただいております。
ご覧ください!
「またテムジンかよ…」
「もう俺の部屋、テムジン積むとこねーよ」
「テムジン贔屓もいい加減にしてほしー」
コトブキヤさんのバーチャロン・シリーズ、期待の新商品発表に際してこんな感想を抱かれた方、いらっしゃいませんか?滅多にない機会だと思うのでぶっちゃけトークで申し上げますと…
正直、私も半分はそう思います!
ただ、残りの半分では、違う印象も持ってます!!
以下、それぞれについてご説明させていただきますね。
「半分はそう思う」…これについては、読んで字のごとし。
現実問題として、今までリリースされたキットの多くがテムジン系列だったことは事実で、それはプラモでもフィギュアでもガレキでも事情はかわりませんでした。もちろん、テムジンという機体自身はカトキ先生入魂のデザインですから、立体化されること自体は喜ばしいし、またそうされて当然という思いもあります。しかし人間って贅沢なもので、どんなに良いものでも、そればかりだと麻痺してしまうというか、食傷してしまうというか…
「もっと他になにかないの~?」みたいな気分になってくるのは自然ですよね!
ましてやバーチャロンは、いわゆるロボット・アニメのように「主役機がいて、敵役がいて…」というお約束の立ち位置に基づいて機体デザインが行なわれているわけではない。アクション・ゲームとして、対戦ゲームとして、登場する全機体が、それを使う人にとっては「主役!」という思い入れができるようにと願いながら作られている。そんな経緯をもって生まれてきたわけですから、アニメ・ロボの文脈で「まずは主役機でしょ」みたいな商品化がイマイチ馴染まないのも無理はないのです。
そういう意味では、
「なんでまたテムジン?」
「俺のバイパーは?」
「俺のバルは?」
…みたいな心の叫びは痛いほどよくわかるつもりです。
ただ、その一方で、ですね!
(ここからが、先ほど申し上げました「残りの半分」です)
今まで少なからぬご縁をいただいたおかげで、各メーカーさんにテムジンを手がけていただきました。ありがたいことです。正確には把握しておりませんけれど、かなりの数になると思います。
それらは、その時、その時の各メーカーさんの思惑、原型さんの心意気、技術レベル…様々な要素の組み合わせで生まれてきたものです。並べてみると一目瞭然ですが、製品のひとつひとつが違うドラマを背負っているというか、テムジンという一つの意匠が、様々な解釈、様々な開発経緯を経て、まったく別の立体として目の前にある。これって実はとても凄いことじゃないかと思うんです。そこにはなにがしかの歴史というか、関わった人たちの思いがこめられていて、我々ユーザーは立体物を手に取ることで、そういったひとつひとつのドラマトゥルギーを味わえる。
しかも結果的に、「テムジン」が
バーチャロン造型の指標プロダクツとして成立している。
簡単に言えば、比べてみることができるというか…各時代、各メーカーさん、その時どきの関わった人たちの事情や思惑で、我々個々のユーザーにとって「これは決定版!」と思えたり、「これは俺のなかにはないテムジンだけど、こういう解釈も確かにあるな」と思えたりするような、さらに「あの頃のあの技術力にしては、これは努力賞モノ!」みたいな、出来不出来を越えた感慨を抱けるような、様々なテムジンが存在する。目の当たりにできる。この事実には大きな価値を感じます。
もちろん、上記対戦ゲーム的文脈からすれば、それは必ずしもテムジンである必要はなく、またテムジンに限定されなければならなかったわけでなもない。それでも、ある種の縁の積み重ねでこのような歴史が紡がれ、時の流れと人の織りなすドラマを立体物から読み解き、嗜むことができる…なんとも贅沢な時代になったものです。
これって、スケールモデルならそんなに珍しい話ではないかもしれませんけれど(例えばミリタリー系なら、各社各様のティーガー戦車のキットが手に入りますよね!)、こと版権ものに限った場合、10数年の時の流れが紡がれ、また現在進行形でもあるという現実がバーチャロンで起こっているという事実を、一模型ファンとして前向きに楽しみたいと思うのです。
もちろんそのためには、例えば今回のコトブキヤさんのテムジンが、どういった技術で、どういった心積もりで、どういった人たちによって手がけられ、魂をこめられ、形になっていったのか、どの辺に注目して欲しいのか…大切なことをユーザーの皆さんにきちんと知ってもらう必要があります。そこで、前回ライデンの時にも進めていただいたようなWEB上での情報発信を活用すべく、コトブキヤの根本さんや弊社の森などが万全の下準備を進めているとのこと、これはもう期待していただいて間違いありません。
一ファンとして模型が素晴らしいと感じるのは、買ってきて、箱を眺め、箱を空けてランナーを見つめ、取説を読み、自分なりの完成イメージを膨らませ、やがておもむろに組み立て始める…そういったワクワクする様々な局面を経ていろいろな刺激を受け、プロダクツの多様な味わいを存分に楽しめる点にあると思います。しかも今回のコトブキヤ版「OMG・テムジン」、これまでリリースされた同機種とは一線を画するスタッフの思い入れが結実しているのは確実です。
まさに気分はパーフェクト!
模型界のバーチャロン・ヒストリーに身を浸すなら、必須のアイテムになるのではないでしょうか?