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ライデン試作原型について、今回は関節機構担当が色々語ります!

青木将利[Aoki masatoshi]
株式会社コトブキヤ 企画部開発課原型係所属[修行中のルーキー]
普段はメカ班にてプラキットの原型製作などをやってます。日々「バーチャロン作りたい!!」と騒いでいたら運よく使っていただける事に。頑張っていきますので、宜しくお願いします。


初めまして、OT・ライデンの関節機構の構想・製作を担当したコトブキヤの青木です。自分自身、大のバーチャロンファン(主に造型です)でして、学生時代に仲間と一緒にイベントで販売したりしていました。そんな私が縁あってコトブキヤに入り(入社時のトライアルもVRを作りました)、バーチャロン プラモデルシリーズの原型に仕事として携われるという事は、感激以外の何ものでもありませんでした!

さて、作業に関してですが、今回初めての試みとして『光造形によるハイエンドCGの3D化』ということで、一からの原型製作とは違い、基本に原型部品がすでに揃っている状態からのスタートでした。(自分も原型師の端くれなので、1から作っていきたかった…というのは置いていて)

最初に光造形の出力されたものをもらったのですが、パーツ単位でのバランスはハイエンドCGからのコンバートという事で完璧だったので、こちらとしてもテンションが上がっていきました。

その後、外注さんに叩き台的な関節を入れてもらい、そこからより可動範囲を広げ各関節デザインとの整合性を高めるために、ブラッシュアップしていきます。セガさん側のほうでは、可動に関して「イメージを崩さなければある程度お任せします」と言ってくださっていたので、企画の根本と打合わせをしつつ、かなり自分のアイデアを盛り込ませてもらいました。

元々、ゲームでは人間並みの多彩なアクションするので、どこまで再現できるか、そしてどこまでデザインの破綻無く可動を仕込めるかが自分の中のテーマでした。ところが実際作業を進めていくと、各関節が案外動かしにくいデザインだということがわかってきました。そこで、肘に使われた下腕を一度下にスライドしてから肘関節を曲げる方法や、膝に見られる可動軸後ろにずらして支点変える事で可動範囲を増大させる方法など、思いついたものはすぐに取り入れていきました。

今回のOT・ライデンのポイントですが、セガさんとのやり取りの元、ゲーム中での基本姿勢でもある前屈み状態再現するために足首可動のクリアランスを取る策としてスネアーマーのスライドや腕を横にスイングさせた時の干渉を回避する為、肩ユニット外側の四角いアーマーが外側に開くギミックを入れてみました。

スケジュール的に一人で作業する事が出来なかったので、数人で分担して作業を行っていました。各部の担当からパーツを受け取り、全身をつなげて立たせてみると物凄いボリュームで、価格等いろいろな意味で心配してしまいました。おまけに原型ではレジン製なので重量も結構なものに(特にバズーカ)…。関節強度に若干心配はありましたが何とか原型が完成。そしてセガさん監修経てようやく原型発表に至る訳です。

この仕事をしていて痛感するのは、やはり一人の力では微々たる事しか出来ないということです。原型製作一つ取っても、社内や版元さんなど様々な人の意見を得つつ、良い物作っていこうとしていくし、その後、開発に渡っても金型での生産性を考えつつ、原型を再現しようと日々尽力していただいてます。そんな大勢の人が関わっていく中で生まれていくプラモデル、しかもそれが自分の好きなバーチャロンで、開発に関わった一人になれた事を日々本当に感謝しています。この気持ちがコトブキヤ・バーチャロン プラモデルシリーズを楽しみにして下さる方々すべてに伝われば良いなと切に願っています。

という訳でいかがだったでしょうか?正直、自分としてはシリーズ第1弾という事もあり、手探り状態だったので反省点は色々浮かんできますが、第2弾、第3弾と数を重ねる事により、さらに洗練されたシリーズにしてなるように尽力していこうと思っております。

今後ともコトブキヤ・バーチャロン プラモデルシリーズの応援、よろしくお願いします。それでは!

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