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OT・フェイ・イェン・ザ・ナイト Archive

「フェイ・イェン・ザ・ナイト 原型を見て」

今回はセガ森氏とコトブキヤ根本がフェイ・イェン・ザ・ナイトの原型について語ります!森さん、なんだかテンションが低いですねぇ…

根/森さん!この前の画像は…なんか凄い反響でしたね!!

森/…

根/森さん?

森/話題になるのはいいんだけど、なんかお尻のことばっかりでさぁ…。プラモデル本体だけじゃなくて、このブログ自体もバーチャロンというコンテンツの一部として楽しんでもらえるクオリティを保とうと思って記事内容の構成も考えてるし、けっこう厳しい週2の更新ペースもなるべく守ってやってきてるんだけど…お尻には勝てないのか…。

根/だ、大丈夫ですって!確かにあの画像は衝撃的だったんで、ついその話ばっかりになっちゃってますけど、森さんが伝えたい事も皆さんちゃんと分かってくれてますって!!…だいたいあの画像は森さんが提供してくれたんじゃないですか!(笑)

森/それはそうなんだけど…。まぁ、フェイ・イェンは数あるVRの中でも特殊なキャラ立ちをしてるからね。ちょっとそのへん見せて、っていうと、ああいう風になるのが自然なんだろうなぁ、とね…。

根/そうですよ!そういうのも含めてのバーチャロン・クオリティですよ!

森/んじゃま、それはそういうことで。んで、今回は原型についてだよね。

根/はい!まずは全身の立ち画像を見ていただきましょう!



森/まぁ、いつもながらハイエンドCGモデルからリバースコンバートしてるから、プロポーションとかに関してはいまさら言う事ないねぇ(笑)

根/しかし立体になると想像以上に細いですね。

森/そうなんだよ、身長はフォースのフェイ・イェンVHとかと同じだけど、頭身が違うから体のパーツはより華奢になるよね。

根/OMGのフェイ・イェンとも印象が違いますよね。前から思ってたんですが、OMG・フェイ・イェンとフェイ・イェンVHは似た印象なんですけど、どうしてフェイ・イェン・ザ・ナイトだけ幼い、というかロリっぽい感じなんですか?ナイトも森さん作ですよね?

森/だって、有井君が…

根/はい?何ですか?

森/当時、有井君がさあ、横で言うわけよ。「もっと可愛く!もっと人間っぽく!もっとエロく!!」ってさ。もちろんメカとしてのラインは保ちつつだけどね。

根/らしいといえばらしいですね(笑)

森/んで、彼のそういうフェテッシュな物を見る目は確かだから、彼がOK!って言ってくれるように作っていったらこうなっちゃった。でも確かに完成したCGを見るとね、メカと少女の魅力が高次で融合した、なんとも他に例を見ない凄い物になったんでそれで良かったんだな、と。もちろん第一に、カトキさんのデザインが素晴しいっていうのが大前提だけどね。

根/確かに、見てると「メカなのに可愛いのにメカ、なのに可愛い…」って思考がループしちゃいますね。

森/そう、単に可愛いとかエロい、じゃ無くてなんか不思議な魅力があるんだよなー、自分で作っといてなんだけど(笑)

根/でも、それは分かる気がしますよ!自分の予想や思惑を超えて、作った物が「生きてしまう」って言うんですかね?

森/お、なんか難しくてカッコいいことを言うじゃない。で、そんな訳で原型になってもその魅力はそのまんま出てるなぁ、と思うわけよ。

根/今回、プラモデル化に当たって細かい所も手直ししてもらいましたしね!

森/スカート基部もそうだけど、凄い漠然とした形をしてて気になってた肩関節や股関節周りも、姉妹であるエンジェランからデザインイメージを流用して直したしね。でも肩関節とか、直す前の方がプラモデルの関節としては都合が良かったんだよね。

根/はい~、正直そうなんですけど「エンジェランとお揃い」みたいなアイディアを聞いてしまうと、こっちの方が正解だなと思いますんで、そこは少し無理をしつつも頑張らせてもらいました。その他の可動部も、女の子らしいポーズがとれるように意識して考えました!(そのへんはおいおい紹介していきますんで、乞うご期待!!)

森/そういう姿勢で居てくれるとこっちもやりがいがあるね。逆にCGでは宙に浮いてる頭のツインテールの接続基部は、プラモデルとしての強度とか成型の都合を教えてもらって、原案と言う形でモデリングさせてもらったしね。



根/はい!ありがとうございました!!あー、でも、そのCGは公開してもらえないんですか?

森/CGモデルを出しちゃうと、それが新たな公式設定みたいになるからイヤ(笑)やっぱツインテールは浮いてるのが、フェイ・イェン・ザ・ナイトの可愛さのポイントだから。ガチガチのメカじゃなくて、変身美少女っぽい現実離れ感も必要だからね。

根/やっぱり可愛さ優先なんですね。

森/そそ♪でもプラモデルの方もごつくて野暮にならないように、とはいえ十分な強度が出るように最小限のパーツ構成で、可愛らしくなるようにデザインしたから、まぁ準公式みたいな物だと思ってもらっていいかな。どうしても浮かせたい!っていう情熱のある人は、自分なりに工夫してもらうのも愛情表現だと思うしね。オレもそのへんはユーザーとしてどういう手があるか考えてみるよ。

根/はい!お願いします!!

森/君もなにか考えなさいよ。

根/え!?あー、バイパーⅡへの愛なら止めどないんですが…。

森/このバイパー馬鹿一代が(笑)

根/す、すいません~(汗)

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「フェイ・イェン・ザ・ナイト/ハイエンドCGについて」

セガの森氏によるフェイ・イェン・ザ・ナイトのハイエンドCGモデリング秘話です!
11年経っても色褪せない、その秘密とは…?

フェイ・イェン・ザ・ナイトは自分が作ったハイエンドCGモデルとしては、OT・テムジン、OT・ライデンに次いで3番目に古いモデルとなります。作られたのは1998年の事です。当時、世のCGクリエーター達は3DCGでのキャラクター表現(メカ、生物問わず)に関して、新たなステップを迎えていました。それは当時のCGツールの機能的な限界や、もっと直接的に、高価であったCGツールの価格の壁を前にし、今できる範囲で、よりリアリティのあるキャラクターはモデリング出来ないのか?という事への挑戦の時代だったと思います。原型師からCGモデラーに転身したばかりの自分も、それまでの3DCGモデルが「いかにもCG」、「CGだから凄いでしょ」みたいなところに止まっているように見えることに歯がゆさを覚え、それらを克服すべく四苦八苦した事を覚えています。そしてOT・ライデンで、真っ黒くて太いスジ彫りや細かい角落としという技法を開発し、まずは一つ、そのハードルを乗り越えました。そして次のフェイ・イエン・ザ・ナイトでは『描線に抑揚をつける』という技法…技法というよりは考え方を手に入れました。擬似的とはいえ立体物である3DCGに『描線』というのもおかしな話かもしれませんが、立体といえども面と面、色と色の境目は線という形で認識されます。そのような線に抑揚をつける事で3DCG特有の『硬さ』や『冷たさ』を無くすことができるのではないか?という有井氏の発想を得ることにより、現在まで続くバーチャロンのハイエンドCGモデルの基本フォーマットが完成したのです。
…とか真面目に語ると、ずいぶん堅くてカッコいい話に聞こえますが、当時のやり取りは…

森/こんな感じでどう?
有/ダメ、可愛くない。
森/えー、こんなもんじゃない?
有/ダメ、これじゃ結婚したくならない。
森/結婚て…じゃあどーしろってのよ!!
有/ここはさあ、もっと膨らんでて、そのままギューっと引っ張って…ここで絞ってやると、ほら!可愛い部品になるじゃない?
森/『可愛い部品』って新しい概念だなぁ・・・。
有/フェイはね、可愛い部品が集まって出来てる、可愛くてカッコいい女の子(ロボット)なんだよ♪
森/ふむ…んじゃ、ここはこうすると可愛いのか?
有/やりすぎ!それだと可愛すぎてメカに見えないよ~。もうちょっと、メカとしてのカッコよさが欲しいな。
森/あー、分かってきた!…んじゃ、これでどうだ!?
有/うはぁ、そうそう!!
森/なるほど、理解した!直線や平行に見えるところでも、ちょと曲げてみたり歪めたり、面の大きさに変化をつけたり、さらにその具合をコントロールすることで、何気ない形でもカッコよくなったり可愛くなったりするんだな!こりゃ大発見!!
有/にゃ~、好き~♪結婚する~(ゴロゴロ)
森/……

今にして思えばこの時の有井氏の「結婚する」発言は、近年の「~~はオレの嫁!」という概念を先取りしているとも言える訳で、こんな所でもオラタンの先見性を垣間見ることができますね…いや、それはどうでもいいんですが。
なにはともあれ、そんな思いで作ったのももう11年前。今回プラモデル化するにあたり、修正が必要な部分もありました。時間が無くてポリゴン割りが荒くなってしまった為に曲面が凸凹してたり、単純に技術不足で思ったような形が出てなかったり、見えないから作ってない部分があったり…。ただし、基本形状については問題は無いと思いましたのでパッと見た感じでは変化は無いと思います。一番変わったのは、CGだからいいやと思って浮かせっぱなしにしていたスカートまわりをフレームで胴体に接続したところでしょうか。
ツインテールはデザインとしてはやっぱり浮いていた方が断然可愛いので、プラモデル用原案として強度も考えて接続部をモデリングしましたが、CGでは依然として浮いている形とします。その代わりという訳ではありませんが、スカートの裏側を含む接続部は上記のようにメカと可愛さの両立を目指して頑張って考えて作りましたので、プラモデルとしてお手元に届けられた際はそういった所にも注目してくれると嬉しいです。

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「VOプロデューサー Dr.ワタリよりコメントを頂きました!」

コトブキヤ バーチャロンプラモデルシリーズ新規アイテム第5弾は、
「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」より
RVR-14 フェイ・イェン・ザ・ナイト(DNA SIDE)」です!

発表にあたりVO(バーチャロン)プロデューサー Dr.ワタリからメッセージをいただいております。ご覧下さい!

とうとう、ついに、この日が来てしまったか……

「差し支えなければ、娘さんを嫁にいただきたいのですが」
「ぶっちゃけ彼女は僕だけのもんなんで、ゲームとかに出さないで欲しいんすけど」

……そんな赤裸々リクエストをいただきながら幾星霜、
今日、本日は、泣く子も黙るXデー!!

みなさん、フェイ・イェン・ザ・ナイト、発売決定です!

父親(?)としては、まさに感無量!!

あ、でも、もちろん、プラモですよ~
さすがにリアルは、時代がまだ電脳暦に追いついておりませんので、いろいろ難しい事情があるのです。
その辺、ご理解いただけますと幸いです。

とはいえ、不祥ワタリ、思わず遠い目です。
コトブキヤさんのバーチャロン・シリーズも、はや第5弾。
とうとう、フェイ・イェンまでたどり着いてしまったんですね……

今となっては「?」と思われる方も多いかもしれませんが、このフェイ系列のバーチャロイド、登場するたびに物議を醸す、良い意味での問題児!

「こんな萌え、リアルじゃない」
「バカ言え、巨大ロボ言ってる段階でリアル兵器なんて文脈はヘソが湯沸かし」
「要はオモロければそれで良いのでは」
「とにかく嫌い」
「とにかく好き」
「ある種のキャラゲーなんだから、自分が好きなの選んで楽しく遊べば良いのでは」
「気に入らないのがいると目障り。失せろ」
「オマエが失せろ」
「こんなものがあるからキサマらはダメだと言われるのが、まだ分からんか」
「そういう貴様がダメなのだと、そろそろ分かれ」

もう一体どうしたことでしょう、それまでどんなに和やかな空気に包まれていた場でも、このバーチャロイドが登場した途端にマグマなヒートアップで議論百出、喧々囂々の大騒動になってしまう。

だがその一方で、肝腎のフェイ・イェンは人々の思惑などどこふく風、ゲーセンのモニター内で小気味よく走り回り、ハートビームをまき散らし、ヒップアタックで愛嬌ふりまきまくりです。
なんかもう、この現実を目の当たりにしてしまうと、ある種の「是か非か」論議が虚しく感じられてくる、むしろ右脳全開フルタイム・ハッピーになって「Go! Go! フェイ!!」とか叫んでるくらいの方が解脱への近道なんじゃないかと思えてくる、そんなスーパー・インパクトな存在ではありました。

ただここで忘れずにいたいのは、フェイ・イェンが、単に物議を醸すだけのイロ物キャラではなかったということです。デザイン的に確かなセンスで構築された、高い完成度を誇る可憐機体であるのは厳然たる事実です。

颯爽と登場した初代OMGのシンプルかつ清楚なスレンダー・ラインも素晴らしかったのですが、オラタンに至っては、頭身の変更に始まり、大胆なハート意匠の取りこみ、そして片脚ストライプ・ソックス(@RNA)などの先鋭さが凝集され、美少女メカの最高峰へと駆け上がってしまいました。あくまで個人的な見解ですが、この方向性でフェイ・イェン系ほどの完成度を保っているラインを、私は他に知りません。

そして、そんな突出したメカをラインアップに持てる幸福!

いや~、時代は明らかに良い方向に向かってます。

そんな確信がムラムラと湧きあがってくる今日この頃、
かつて「嫁に」と願った方も、
純粋にプラモとして楽しみたい方も、
思い出深いゲームの愛機として賞翫したい方も、
ついにやってきましたXデー!

まさに、気分はパーフェクト!!

皆さん、発売日まで指折り数えてGet Ready!!
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熱いメッセージありがとうございました、Dr.ワタリ!
なお、ワンダーフェスティバル2009夏にて「RVR-14 フェイ・イェン・ザ・ナイト(DNASIDE)」の原型展示を行います。
その目で可憐な姿を確認できる絶好のチャンス!コトブキヤブースで皆様をお待ちしておりまーす!!

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