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機体別 Archive
「懐かしき初代ハイエンドCG」
容量が一杯になってしまったHDを整理している森氏のもとに現れたのは、AM3研の先輩であり師匠でもある成毛氏! OMG当時の昔話に花が咲きます…
成毛 伸和[Naruke Nobukazu]株式会社セガ 第三AM研究開発部所属
OMGからマーズまで全ての「バーチャロン・シリーズ」のゲーム製作に参加する開発チームの重鎮。
入社当時の森氏の教育係であり、テムジンの初代ハイエンドCGをモデリングした、ある意味「ハイエンドCGモデルの生みの親」的な存在。誰よりも清い心の持ち主だが『デビ○マン』の熱心なファンでもある。
森/(昔のファイル整理中)… ♪カ~キフーラーイー、つく~りますー…♪ っと、 あー、懐かしいなぁ、AM3研での初仕事じゃん。
なんか今見ると野暮ったくてパッとしないけど…、これはこれで可愛い奴だよね(笑)
成/デェーービーーーールッ!!!!
森/うぁ!! なによ、いきなり!?
成/その前には初代ハイエンドCGがあるだろう!? そいつのことにも触れてやってくれ!!
森/あぁ、そうね。バーチャロンのハイエンドCGの元祖と言えばナルちゃん作のテムジンだもんね。 じゃあ、当時を思い出しながら何か語ってよ。
成/えッ? オレが!?
森/そりゃそうでしょ。 あなたが作ったんだから自分で語りなさいよ。
成/…え、えーとですね、あの…その…。 …森君! ナビゲーターなんだからオレを導いてくれ!!
森/(世話の焼ける人だ…)んじゃ、初代ハイエンドCGモデルはバーチャロン最初期のパブリシティやゲーム中のランキング表示画面なんかにも使われてたわけだけど、この世で初めて『バーチャロンのハイエンドCGモデル』を作るにあたって苦労したことや、どんなことを考えてモデリングしたのか教えてよ。
成/え~と、最初は仕事じゃなくて、することが無かった時期にオレが、「何かに使えるかも」と思って勝手に作り始めたんだと思う。 で、その時に、カトキさんのデザイン画じゃなくてゲームモデルの方をベースにしたんだよ。何故かって?実際にゲームで動いてるのはゲームモデルだから、まずはそれをブラッシュアップすべきだと思ったのさ!
森/あ、そうなの?デザイン画に似てないのはともかく、そんないきさつで作られるようになったんだ。
成/そうそう、で、作り始めたのはいいんだけど、当時のコンピューターのパワーでハイポリゴンを扱うのは厳しくてな、一枚の絵をレンダリングするのに何日もかかったりして大変だったんだぞ!
森/んで、そんな思いをして作った初代ハイエンドCGモデルを、オレがゴリゴリ改造しちゃったわけだけど、正直、面白くなかったんじゃない?
成/それはそれ、これはこれだから問題ないぜ!森君が入ってハイエンドCGモデルのフォーマットを確立したから、こうやってOMG~マーズまでのバーチャロイドが世代やメーカーの枠を超えて商品化されるんだからな! だいたい初代ハイエンドCGモデルを今、プラモデルにされても嬉しくないだろう!?
森/確かに、今更アレを出されてもねぇ~。
成/あ…やっぱりそう思う…? そっか、そうだよな……。
森/い、いや、初期のガレージキットやプラモデルは初代ハイエンドCGモデルがベースでたくさん出てたし、アレはアレで味わい深くていいんじゃない? 好きだ、って人もいると思うよ。
成/そうか…そうだな! 今度の新ハイエンドCGモデル準拠のコトブキヤさんのプラモデルも、 たくさん売れるといいな! オレも買うからな! おっと、もうこんな時間か!?
森/ナルちゃんには、また出てきてもらうこともあると思うから、その時はよろしくね~。
成/おう、任せとけって!じゃぁ、またな!!
森/お疲れ~。
森/…当時たくさん出てたから、ね…(苦笑)ま、それはそれ、これはこれ、か。 さて、ファイル整理の続きをしようかね…♪ カ~キフーラーイー…♪~
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「OMG・テムジン『色』について」
皆さんこんにちは、セガAM3研 森です。
「OMG・テムジン」の原型着彩見本も公開されましたので、今回は「OMG・テムジン」の『色』についてお話しようと思います。
代々テムジンのイメージカラーといえば『青×白』だと思いますが、意外にもその色味自体はタイトル(OMG~マーズ)によってけっこう差があります。
ハイエンドCGモデル化する際にも色味を調整していますが、例えば青に関しては、「OMG・テムジン」は赤みの強い紫に近い青ですし、「OT・テムジン」は緑の多いスカイブルーっぽい爽やかな青です。「747A」の青は濃淡の2色使いですが、最初にこのパーツ単位での塗り分けのない、カトキさんによるストリームラインでのカラーデザイン画を見た時には、それまでのメカデザインの常識を覆す試みにドキドキしながらも「これでこそバーチャロンだよな!」とワクワクしたのを覚えています。おかげでハイエンドCGモデリングが大変で泣きを見たのも今ではいい思い出です…。
「747J」では公安組織っぽいキャライメージから、かなり濃い目の青になりました。ラインのパターン自体も、PS2のテクスチャー容量の限界から「747A」の曲線のストリームラインが綺麗に表現できなかったため、直線主体のラインに改められました。結果としてシャープなイメージが強調され、『強い主役機』を印象づける効果を発揮してくれたと思います。
だいぶ「OMG・テムジン」から脱線しましたが…同じ『テムジン』というキャラでも、シリーズごとに、デザインに応じて細かく考えて色設定をしているというお話でした。という訳で「OMG・テムジン」のプラモデル用の色指定もこのイメージに沿うよう慎重に選定されています。とは言え、成型色に関しては前回、根本君が語ってくれたように、実際に成型品を見ないことには最終的な判断はできないので、まだまだ気が抜けません。白に関しては有井が明確に、「コトブキヤさんが出してるコ○ンドウ○フの白で!!」と言うので、それをそのまま指定しました。こういうのは楽でいいですね(笑)
もちろん成型品を見て、ちゃんとチェックは入れますが。
そして今回は1Pカラーの『青×白』でのキット化ですが、「OMG・テムジン」の公式カラーバリエーションには2Pカラーの『赤×白』、練習機という設定の『黄×白』、そして『ワンマンレスキュー』に登場の「四ノ影」の『黒×オレンジ』、『フラグメンタリーパッサージュ』に登場の「白騎士仕様」の『白×銀』がありますね。
特に四ノ影は劇中の凶暴さと相まって人気がありそうです。
「練習機」も通好み(マニアック)な位置付けで味わい深いですね。白騎士はOMG~マーズまで各世代のテムジンで存在する稀有なカラーバリエーションですのでプラモデルで並べてみるのも面白いかと。707系テムジンについては、まぁ、そのうち(笑)
もちろんオリジナルカラーだってなんでも有りです。好きな色を塗ってみるのもいいですし、「10/80(テン・エイティ)」の『グレー×ブラウン』で塗ってみて、「10/80に偽装して、敵を油断させ戦果を上げるという戦術をとっていた」なんてオレ設定を考えてみるのも楽しいですね。
…自分で言っといてなんですが、設定として地味で夢がないですね、コレ(泣)もちろん「2Pカラーが一番好きだ!!」、という方もいると思います。実は自分も2Pカラーの「OMG・テムジン」がかなり好きなのです。
だって「ジ○」みたいでカッコいいじゃないですか♪
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「OT・ライデン」パッケージについて
今回は森氏と有井氏による、もうすぐ発売となる「OT・ライデン」のパッケージついてのお話です。コトブキヤのバーチャロン・シリーズのパッケージはどのような考えを基に作られているのか…興味津々です!
森/箱、でかいな…。
有/うん、おっきい…(うっとり)。
森/こんなでかくて高いもの、一発目に持ってくるコトブキヤさんって度胸あるよな…。
有/男らしいよね…(うっとり)。
森/…それはともかく、このシリーズも有井君がパッケージ関係を全面的に作ってるわけだけど、どんなことを考えながら作ったのかな?
有/そーゆーの苦手。
森/またか! あのねぇ、それじゃ記事にならないでしょうが。なんか無いのか!?
有/うー、「コトブキヤのバーチャロン・シリーズはこれだ!」っていう「デザインのフォーマット」が見えるまで大変だった~。ハセガワさんとの差別化もあったし… OMGシリーズとも整合性もとらなきゃいけないし… でも、なんとか形になったよ!
森/確かに。同じ「バーチャロン」だけど各メーカーごとにカラーを出すのは重要だよな。
有/それでね、天面や側面のライデンのビジュアルは当時のイメージで仕上げたよ! エディトリアル(文字やレイアウト)の部分もOTっぽく、当時好きだった人には懐かしく、初めて見る人には新鮮に感じられるようがんばった~。
森/…そーいえば、側面の完成品の写真もスタジオまで行って撮影に立ち会ったよね。
有/そうそう、こういうの初めてで面白かった~♪
森/立ち会った、っていうかオレがモデルにポーズをつけて、有井君がファインダーを覗いて角度とか決めたわけだが。
しかし、撮影用のポーズつけとか懐かしかったなぁ。 昔、模型誌でライターやってた頃はよくやってたからね。 それに今回撮ってもらったのって、模型誌で撮影してたのと同じスタジオなんだよね。 みなさん、お元気そうでなによりです! って脱線しちゃったけど、それはともかくカッコいい立ちポーズとかさ、君もつけられるんだから次からは一人で行って自分でやりなさいよ。
有/嫌。森君がやって。
森/別にわざわざ二人で行かなくても済む話じゃん?
有/…壊すと嫌だからやらない。
森/あー、監修の時、原型を落っことして壊したことあるもんね~。 それがトラウマになってんだ?
有/うるさいなー! もう、それはいいじゃん!! とにかく、これからも撮影の時は森君がポーズをつけるの!!
森/ハイハイ、わかりましたよ、っと。
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「テストショット進行中!成型色も大変なのです!」
こんにちはコトブキヤ・バーチャロン企画担当の根本です。
さて、OT・ライデンも発売まで約一か月と迫ってまいりまして、開発の最新情報をお届けします。
現在、進行中のテストショットは設定の色を再現した状態で、成型されております。
この成型色ですが、すでにご覧いただいた塗装完成品の製作時に使用した塗料をそのまま、プラ板に吹き付け色見本サンプルにして、中国工場に送り「この色で作って」という感じでお願いしちゃっています。
中国工場では、その色付きプラ板に合わせて、各ランナーの成型色を調色して、中国スタッフ確認した後、日本のコトブキヤに送ってもらうのですが、これがなかなか一発では決まらなかったりします。
特に赤は彩度の高い、いわゆる「綺麗な色」を出そうとするあまり必要以上に透明感が出てしまい、少しチープになってしまっている印象をうけましたので、成型色として綺麗な発色を保ちつつ、「透けてチープにならないようギリギリのところを攻める」という調整をしてみました。そして赤とバランスを取るよう、その他のダークグリーン、グレーなど殆ど全ての色も、もう一段濃くなるよう調整を行いました。
実は初めて各ランナーが指定の成型色になったテストショットをセガさんにお見せした時には「綺麗でいいんじゃないの」と言ってもらえていたんです。本来コトブキヤとしては「開発が先に進んでラッキー!」なのですが、今回は根本が
「これじゃ安っぽくていやなんですよ!!」とダダをこねまくり、逆ダメ出しをするという事をやらかしております。
有井さんも、「これだから元原型師は…」と思ったことでしょう(苦笑)
このように、以前「『色』について」の時のお話をふまえつつ、素組み派の方にも、満足してもらえるように「成型色でも成立するライデン」を目指し成型色調整も頑張っております。 また「成型色そのまま」にもうひと手間、クリアーコート等を施してより見栄えのする「お手軽フィニッシュ法」などもご紹介できれば、と考えています。
でも…「全塗装したほうが、断然カッコいいよね」と思う、「元原型師」でした!
では皆さん、発売までもう少しだけ待っててくださいね!
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