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原型監修ウラ話(ライデン DNA SIDE編)第一回(後編)

セガAM3研の森氏とコトブキヤ バーチャロン企画担当の根本によるライデン DNA SIDEの「原型監修」のウラ話、ぶっちゃけトークの続きです!
森氏の語る『ヤバい』事とは一体…?

前編からの続き

森/最初は現在の立体出力技術の精度にただただ感心してたけど、しばらくしたらこりゃヤバいな…と。

根/と言いますと?

森/だってCG作ったのってもう10年前だよ!? 当然今よりモデリング下手だし、細部に気が回ってない所もあるし。 とにかくここまで自分の作ったそのまんまが商品になるなんて全く想定してないからさ、もう気まずいやら恥ずかしいやら。今回一応、出来る範囲で関節周りとかに修正は入れたんだけどね…

根/大丈夫ですって、ハイエンドCGは単純に「カッコ良い」じゃないですか! バーチャロンファン的には、このCGクオリティでの立体物が欲しいんですから、全然問題無し!!です。

森/…あ、ありがとう。 とにかくこれがある意味OT・ライデンの真の姿なわけだから、この先はプラモデルとして良い商品になるよう手を尽くそう、って方向で頑張ろうかと。 で、そういうつもりで見てみると、今度はプラモデルとしてマズいかな? って気になるところも目についてきてさ。

根/具体的にはどんなところですか? 

森/まずは『エッジ問題』だよね。 ハイエンドCGには各エッジにもう一段、細かい面落としをしてあるんだ。

ライデンCGエッジ処理

これはCGモデリングツールの特性の問題なんだけど、これをしないと『凄く薄い紙で出来たペーパークラフト』みたいな質感になっちゃう。 でも、実はこれって実際の立体物には必要ない表現なんだよね。OT・ライデンの原型ではその面落としまできっちり立体出力されちゃってたから、必要以上にエッジがダルい様に見えちゃっててさ。 だからこの辺はCADデータ上での修正をお願いしたよね。
てな訳で現在発表されてる原型や着彩見本は若干エッジがダルいように見えるかも知れませんが、商品では程良く、気持ちのいいシャープなエッジになるんで、乞うご期待!!

根/誰に向かって言ってるんですかそれ(笑)? でも確かに、特に気にしていませんでしたね、そこの部分は。

森/そっか、まぁこれも自分が元原型師で、『CGと模型の違い』みたいなことを本気で考えてたから言えるんだと思うんだよね。

根/はい、自分も原型師でしたから、言われてみればよく分かるお話でした。 勉強になります!

森/よし! 同じ原型師同士、これからも遠慮なく、ガンガン厳しくチェック入れて行くよー!! よろしくな!!!

根/えっ…!? は、はい…お手柔らかにお願いしますね…(泣)

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原型監修ウラ話(ライデン DNA SIDE編)第一回(前編)

今回はセガAM3研の森氏とコトブキヤ バーチャロン企画担当の根本によるライデンDNA SIDEの「原型監修」を様子をぶっちゃけトークとしてお送りします!
さて、どんなお話が聞けるのでしょうか…

森/…なぁ、根本君や。

根/(ビクッ) …は、はい、なんでしょう。 森さん。

森/なんかおかしくないか? 

根/な、何がですか?

森/この前の『リバースコンバート!!』の記事書くのってさ、本来キミ(コトブキヤ)の仕事なんじゃないの?

根/え、だ、だって森さん「出来るだけの事はしてあげたい!」っておっしゃってたじゃないですか。 それに『ゾディ・アック級』ですし!

森/意味わかんないぞ、それ!! 確かにそうは言ったがな…

根/まぁ良いじゃないですか。 それにCGも模型も両方わかってる人が書いた方がより正確な説明が出来るじゃないですか!

森/そりゃ確かにそうなんだけどな。(なんか巧く乗せられてるような気が…)

根/ところでどうでした? 初めて原型をご覧になった時は?

森/最初に立体出力の画像が送られて来た時は、はっきり言って意味不明だったよ。

undefined

「…? これはなに? 出力後、造型したり、ディティール入れたりしてるんだよね? え、してないの? 表面磨いてサーフェイサー吹いただけ!? 嘘でしょ!!?」って感じでね。 軽いパニック状態(笑)根本君はどうだった?

根/単純に「あ、そのまんまだ」って思いました。 社内で以前、「ゲームや映画のCGキャラクターだったら、データもらって、外注会社で立体出力して原型にできるよ」って話がありまして、それで「バーチャロンでもできるかも」と。 それから即、森さんに相談して実現できたわけですが、あまりにそのまんまで立体化されてきたので、監修もふくめて「楽でいいなぁ」とか思っちゃいました(笑)

森/…そう簡単に楽なんかさせないんだからなっ! …まぁ確かに形状的には俺が作ったそのまんまなんだけどね。 でもね、最初は現在の立体出力技術の精度にただただ感心してたんだけど、しばらくしたらこりゃヤバいな…と。

原型監修ウラ話(ライデン DNA SIDE編)第一回(後編)に続く…

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リバースコンバート!!

どうも、セガ AM3研の森です。
今回はコトブキヤさんの 「ハイエンドCGモデル」から「プラモデル」へのリバースコンバートについてお話しさせて頂きます。

まずは、「ハイエンドCGモデル」 とは…
バーチャロンシリーズにおいては実際にゲーム中で使用されているCGモデルとは別に、主にパブリシティ(宣伝)に使われる、より詳細に作り込まれたハイディティールのCGモデルが存在します。
これを「ハイエンドCGモデル」と呼んでいます。今回のコトブキヤ・バーチャロンプラモデルシリーズはそのハイエンドCGモデルをベースとする手法で開発されています。

では具体的にどのようにCGからプラモデルが設計されるのか、その秘密をご紹介しましょう。
なんとなく素人考えでは、CGモデルがあるならそれから直接CAD(設計)データを作れば良いじゃん!と思ってしまいますが(実際私もそう思ってました)現実はそう単純ではなく、CGモデルの制作方法によりその難易度が変わってきます。
セガで作られたCGモデルはCADデータにすることにはあまり向いていない作りでした。
更にコトブキヤさんではプラモデルを、原型を3Dスキャニング→3D-CADデータ制作→金型制作という手順で開発しています。『まずは原型ありき』なのです。

このような事情から考えられるシステムとは…
まずはハイエンドCGを現実の立体物にする事から始まります。
複雑で繊細なハイエンドCGをどのような手段で立体化すべきか?

そこで最新の立体出力技術の登場となりました!! 

とは言え、ハイエンドCGのデータを立体出力機に突っ込めばそれで済むというものではありません。
ハイエンドCGは主に印刷、ディスプレイ上(二次元)で使用される事を目的としている為、立体として破綻している所も実は多々あるのです。(ポリゴンが食い込んでいたり、厚みがゼロだったり)
ですからハイエンドCGモデルを立体出力に適したCGモデルに改造しなくてはなりません。
幸いにして、今回とても素晴らしい立体出力技術を持つ造形会社さんにその作業を担当していただける事になりました。
ハイエンドCGモデルを立体出力用データにコンバート、その後パーツ分割や曲面の処理等を行い、立体出力可能なCGデータが完成します。

そしてようやく下記のようなシステムが完成します。


1:ハイエンドCGモデル


2:立体出力用のCGモデル(立体出力に適したパーツ分割等を行う)


3:立体出力(一次原型/固定ポーズのガレージキットの様な状態)


4:関節部等加工(二次原型/関節可動のガレージキットの様な状態)


5:パーツ分割案製作


6:原型を3Dスキャニングして3D-CADデータ制作(プラモデルのパーツとしての設計を行う/色分け分割、勘合の設定等)


7:金型制作

一見まわりくどい様に思われますが、二次原型の状態は形状的にほぼ完成形と同じであり、それを実際に手に取ってボリュームを確かめ、関節の可動範囲等を検証しながら監修が出来るという事はとても重要なのです。
それに、なによりテンションが上がります。毎回監修が楽しみでたまりません(笑)
加えて、パーツ形状はハイエンドCGと基本的に同じ物なので『似せる』事に労力を使わなくて良い分、ギミックや開発スピードにパワーを注げます。これもまた大きな利点ですね。
デジタルとアナログの技術の融合、そしてそこに込められた情熱とこだわり! 
このようにしてコトブキヤ・バーチャロンプラモデルシリーズの開発は進められているのです!!

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