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開発秘話 Archive
「OMG・テムジン 付属品についてあれこれ」
発売が迫ってきたOMG・テムジン、今回はOT・ライデン同様デカール&説明書についてのお話です。
森/春だね~。OMG・テムジンもそろそろ発売だね~。
根/あ、森さん。そういえば商品状態のサンプルがとどきましたよ。
森/3月発売だから、すでにこの状態になってるわけね。今回は、成型品以外の部分を見てみようか。
根/はい!まずはデカールですね。こんな感じです。
森/当り前のように「こんな感じ」とか言ってるけど、デカールってどうやって作ってるの?
根/まずセガさんから、各マーキングのデータをもらいまして、それを元に社内で、原型とCG資料とを見比べながら大きさを決めていきます。
森/そうなんだよね。当然セガのほうにはコトブキヤの1/100プラキットに合わせてあるデータなんか無いからね。
根/社内で大きさを調整したものをさらに紙で印刷して、ハサミで切って両面テープで原型に貼って確認するという…。
森/なんかすごいアナログだなあ!
根/まあ、そうなんですけど。これが確実かなと。
森/それで各々の大きさなんかを調整して、正式な版下になると。
根/はい。 本番前テスト印刷がこんな感じで来たりします。
森/ふ~ん。こういうのは普通見れないから面白いよね。次は、説明書だけど。
根/説明書も当然完成してまして、こんな感じです。
森/詳しくは商品を買って見てくださいね。 ってことだね。
根/そうですね。ここではこれくらいの画像でご勘弁ということで。
森/説明書のほうで、苦労話とかある?
根/機体解説部分については、セガさんにかなりお願いしちゃってます。組み立て部分は、設計・生産を行う「開発」チームはやってくれてますので…。
森/…ということは、根本君は何もやってないと!!
根/そ、そんなことないですよ!カラーガイドの構成を考えたり、校正をしたり…
森/なんだかな~。そういえば、カラーガイドはテムジンから若干テイストが変わってるんだよね。
根/ ライデンのときはハイエンドCGをそのまま配置しましたが、塗装をするときに分かりやすいように、色は単色ベタにしようという話になりましたね。
森/ そうそう。ただそれだと、逆に「絵」として変になりそうだったので最低限の陰影をつけたんだよ。
根/色々お手数をおかけしてます。
森/それは全然かまわないんだけど、説明書ひとつにしても色々な方々の協力でできてるってことだよね。
根/そうなんですよ!今回それが言いたかったことです!
森/まあ、根本君の貢献の無さはさておいて、こんな感じで作ってることも知っててもらえると、プラモデル製作もより楽しめると思いますので、OMG・テムジンをお楽しみに!!
根/(あ、全部言われた~!)お、お楽しみに~!!
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「第三弾・スペシネフ」原型公開!!
スペシネフついに原型できました!
というわけで原型製作にまつわるアレやコレやをAM3研 森氏と企画担当 根本が語ります!
森/いやー、こうして立体にしてみるとランチャー長いな~。
根/はい。凄く…長いです…。
森/しかし、つくづくスペシネフって、けれん味に溢れたデザインだよねぇ。人気があるのも分かるわ。これとグリス・ボックとかが、すんなり同居できちゃうんだからバーチャロン(オラタン)ってスゲェよなぁ(笑)
根/『ビジュアルインパクトがある事も必要とされる兵器』って言う設定が絶妙ですよね!
森/お、ちゃんとバーチャロンの世界観についても勉強してるじゃん♪
根/はい!お任せください!
森/てなわけで、第三弾はスペシネフだけど、これまでのOT・ライデン、OMG・テムジンはプラモデルとしては割とスタンダードなロボットの文脈に納めることができたと思うんだけど、こいつは大変なんじゃない?
根/確かにそうですね。特に胴体のフレーム周りとかは「ここしか接点ないの?」みたいな感じで、プラモデルとして「安定感」を出すのが課題ですね。関節なんかも「良く動く」ようにするには関節を増やせばいいんですが、それだと変にポーズが付きすぎて「決まらない」とかありますよね。逆に関節を単純化すると「安定感」は増すけど、「動かな~い!」ってなりますし。
森/そのへん、可動と安定感のバランスは毎度毎度、悩ましいよねぇ。
根/はい~。バーチャロイドはバリエーション機を除いて、一体一体が違う体型、関節構造を持っているので毎回一から考えないといけませんしね。
森/ま、それもバーチャロイドのキャラ立ち、特徴の一つだからね。ゲームのモデル&モーションデータでも事情は一緒だよ。
根/でも、だからこそバーチャロンは面白くて、カッコいいんですよね!
森/そうなんだろうね~。それにしても、自分が作ったCGモデルはどこがどうなってるか何年経っても意外と覚えてるものなんだけど、スペシネフは成毛さんがモデリングしたから、そのへんを把握しながらのプラモデル開発作業って事で新鮮な感じで楽しいね。
10年目にして初めて「あ、ここってこうなってたんだ!」とか「なんでこんな作りなんだ…?」とかね(笑)だからプラモデルになって手に取ってみると新たな発見があるかも知れないから、皆さんにも楽しみにして欲しいな、と。
根/はい!プラモデルなりに工夫している所もたくさんありますから、そういうところも注目して欲しいです!
森/さーて、OT・ライデン、OMG・テムジンで肩慣らしは終わった、って感じかな?これからは今まで以上にビシビシ行くから、ちゃんと着いて来いよ!!
根/はい!皆さん、覚悟して下さいねーーー!!
森/いや、君に言ってるんだが…。
根/…あ、やっぱりそうなんですね…(泣)
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「OMG・テムジン」パッケージについて
森氏と有井氏による、「OMG・テムジン」のパッケージについてのお話です。今回は『シンプルが一番難しい!?』といった事が話のキーとなっているようです…
森/今回は常識的な大きさだよな…。
有/うん、普通だね… さすが標準機体だよね~。
森/関係あるのか? それ(笑)あ、いや実は言い得て妙なのかもな。君、変な所でするどい時があるなぁ。
有/そ~ぉ??
森/という訳で箱の大きさからしてOT・ライデンと全然違うわけだけど、そもそもOMG・テムジンとOT・ライデンではゲームの出典作品も違うし、設定上も第一世代と第二世代っていう差もあって機体デザインの複雑さも違うじゃない?
有/そ~だねぇ、違いは大きいよねぇ。
森/今後もOMGとオラタンを両方やって行く上ではそういう差って常に付いてまわると思うんだけど、そういう差がありつつ同じコトブキヤ バーチャロンプラモデルシリーズのラインナップとしての統一感を出すとか、OMG版のパッケージを製作するにあたってその辺についてはどうなのよ?
有/え~? …質素~??
森/質素とかいうな~!
有/…質素だよ~。OMGはシンプルなのがイイのっ! だから「白い」とか言われるのは褒め言葉なんだよ?(得意っ!)
森/(誰もそんな事言ってないが…)そ、そうか、まあいいや、そういえば今回も側面の完成品写真を撮りにスタジオに行った訳だが… なんか思いのほか大変だったよね?
有/OMG・テムジンはシンプルなデザインだけど見る角度で全然違う感じになる子だから、ソコがスキだったりキライだったりしたんだけど…。
森/うんうん。
有/今回は、なかなか思うようにいかなくて、ちょっとキライになりそぅだった…。
森/…なんか君、撮影のあと具合が悪くなってすぐ帰っちゃったしな。
有/う~~~。頭つかいすぎた~?
森/それって知恵熱なんじゃ…。まったく子供か、アンタは?
有/子供じゃないよー! ちゃんと撮影が終わるまでがんばったんだからー!!
森/はいはい、大人大人。
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「シリーズ第3弾は何故スペシネフなのか?」
こんにちは、コトブキヤ・バーチャロン企画担当の根本です。
さて、早いものでコトブキヤ・バーチャロンプラモデルシリーズも第3弾の発表となりました。オラトリオ・タングラム(オラタン)のバーチャロイドから2機種めとして「スペシネフ」がエントリーされたわけですが、では例によってシリーズ第3弾は何故スペシネフになったかを語ってみたいと思います。
第1弾「OT・ライデン」、第2弾「OMG・テムジン」というラインナップは「オラタンとOMGの2タイトルから商品化」と「それぞれのタイトルのスタートの意味合い」という2つの意味合いをそれぞれ満たしており、次の機体では「シリーズが続いていく期待感」を担ってもらおうというのが僕の思惑でした。
とはいっても「両タイトルから主役級も押さえたし」と言っていきなり自分の好き勝手に走ってしまってはまずいわけで(個人的にはやりたいですが…)、第1弾「OT・ライデン」の開発の時点から、当ブログでは細かく追ってきたのでお分かりと思いますが、プラモデルの開発には長いスパンが必要となるので「一つコケたら、即シリーズ終了~」とはならないまでも、売れ行き次第でこの後から着手する新アイテムに「中止」や「商品化見直し」の魔の手が忍び寄ってしまうのです。
一方、 ガレージキット時代、OMG商品化については全機種制覇(ムック本などに掲載されたのみのバイパー1まで!!)を果たしたコトブキヤが、オラタンに関しては何故か及び腰で、「1/72テムジン(707)」をキット化したのみでお茶を濁していた最中、イベント限定商品として「1/100スペシネフ」を販売したという経緯が関係…あるかないかはさておき、社内でスペシネフは結構人気がありまして、そんな大人の事情と「○○出したいっす」という子供(=根本)の感情の葛藤の末、「イケるだろう、スペシネフ」と白羽の矢が立ったわけです。
マジメな話、今までのプラモデルで商品化されるようなロボットには無い造形の魅力「奇形的でありながらもメカとしてはカッコイイ」というデザインは往年のバーチャロンファンならずとも高い支持を得るだろうという予想もあり、上述の「期待感」の要素も満たしている機体と判断してシリーズ第3弾にスペシネフをエントリーしました。
OT・ライデン発表以降、ネットなどで「俺のスペシネフを!!」というご意見は少なからず見かけられましたし、セガさん社内でも結構人気があるという話も聞きつけ、再度「イケるだろう、スペシネフ」と少し安心したりもしました(笑)
などなど色々語ってきましたが、本当は僕が欲しかったからです!
(例によって半分は冗談です。本当はもっといろいろ考えて決めてます)
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「ハイエンドCGモデルを修正せよ!」
さて、今回はAM3研 成毛氏による、スペシネフのハイエンドCGモデリングにまつわるお話、のはずだったのですが…
森/あ、ナルちゃん。 スペのハイエンドCGの原稿、進んでる?
成/デェーービーーーールッ!!!!! まだ出来てない! っていうか忙しくて書いてる暇が無いッ!!
森/え! もうすぐ締め切りだけど大丈夫?
成/……無理だな。 締め切りまでにまとめられる自信ゼロだ!!
森/そんなこと自信満々で言われても… じゃあ今回はオレがなんとかするから、今回はナルちゃんはいいや。
成/え、オレっていらない子か? …そうだよな、オレの話なんか聞いてもみんな面白くないだろうしな…。
森/そ、そんなこと無いって! ナルちゃんには回を改めて語ってもらうから、気が済むまで書いといてよ。
成/…そうか? …よし分かった! じゃあ今回は頼んだぜ、ヨロシクな!!
森/はいよ~。 …って、さて、なにを語ったものか…。
という訳で、スペシネフのハイエンドCGにまつわるお話は後日、モデリングを担当した成毛さんにじっくり語ってもらうとして、ちょうど良い機会なので今回はコトブキヤ バーチャロン・プラモデルシリーズの開発にあたり、自分が行っているハイエンドCGモデルの修正作業についてお話させていただくことにしましょう。
まず一連のハイエンドCGモデルは、『OMG当時に作られたもの』と『オラタン以降に作られたもの』の大きく二種類に分けることが出来ます。 便宜上前者を『旧フォーマットモデル』、後者を『新フォーマットモデル』と呼ぶことにします。
旧フォーマットで作られていたOMGの各機体も、オラタン当時に新フォーマットで全機作り直されパブリシティ素材として更新されていますので、オラタン以降に皆さんが目にしているハイエンドCGは全て新フォーマットモデルだと思って良いと思います。
ちなみに『PS2版OMG』のパッケージは一見すると昔のOMGのポスターと同じですが実は新フォーマットモデルで完全に新規に作り起こされています。 バカですね(笑)←バカっていうなー!!(有井)
ですからプラモデルも新フォーマットモデルを基にして開発されているのですが、その新フォーマットモデルも最初のOT・ライデンが作られてから10年もの歳月が経っており少しづつ表現が変化していますので、まずはその部分を修正しなければなりません。 わかりやすいのはフォースの頃から始まった、有井発案による発光部に格子状のモールドを入れる表現ですね。
この修正は順次全機体に適用されていきますが、そこから先は機体ごとに、CGモデルとして曖昧に作られていた部分や現実の立体物として再現できない部分を中心に、プラモデル化の際の指針となるよう形状的な修正を行います。
OT・ライデンでは、プラモデル開発の流れが完全には把握できておらずCGモデル修正にあまり比重を置いていなかったため、最低限の修正を施すに留まっています。 今考えればもっと修正が必要な箇所があったのかも知れません。 OMG・テムジンではOT・ライデンでの経験から修正点を検討したのですが、特に大きな修正が必要な部分は見当たりませんでした。
そして、スペシネフでは、ちょっと動かすだけですぐ足首と干渉してしまう足首アーマーの形状や、明らかに貧弱だと思われる関節軸の修正などを行っています。
上記三機体ともに、幸いにして大改修やプロポーションに関わる部分に手を入れる必要はありませんでしたが、今後はどうなるか、どんな大工事が必要になるかわかりませんので今から非常にドキドキしてしまいます…。
それはさておき、プラモデル的に一番都合が良いようにデザインを改変するのが目的ではないので、修正後のCGモデルにもまだまだプラモデルにする為には不都合な部分も残っているのですが、そういう部分をいかにして克服し、CGモデルという虚構をプラモデルという現実にコンバートするのか? そこはコトブキヤさんの腕の見せ所!! ですね。
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「OMG・テムジン/成型色決定!」
さて、OMG・テムジンもいよいよ正規の成型色が決まったようですが…
根/森さん、OMG・テムジンの成型色の修正版が届きましたよ!
森/おー、どれどれ… うん、良いんじゃないかな。じゃあこれで行こう!
根/はい! 今回は割とすんなり決まりましたね。
森/そうだね、「コマンド○ルフの白」とか明確なビジョンもあったし、色の濃さの指定とか、OT・ライデンでの経験も生かせた感じだね。 という訳で、今回は根本君にダメだしされずに済んだねぇ(笑)
根/すいません、個人的なこだわりでわがまま言いまして…。
森/いやいや、最終的に商品が良くなればそれで良いんだから、気にすることじゃないよ。
根/そう言って頂けると助かります! しかし、実際組んでみないとわかりませんね、成型色は。
森/うん、色同士の干渉もあるし、プラ素材の透け感とかで印象変わっちゃうからねぇ。 それにCGの質感を出そうと思ったら、本当は色だけじゃなくて素材感みたいな事まで考えなきゃいけないしなぁ。 だいたいバーチャロイドって、単なる光沢? メタリック? パール?
根/え、今その質問ですか?!僕、「お手軽フィニッシュ」のときに、グロス(光沢)がデフォルトって言っちゃいましたよ!
森/まあ、それも含めて表現は色々あって、一つの回答が有井君が仕上げるレンダリング画ではあるんだけど、模型的にはどんな表現が良いのかなぁ~? ってね。
根/そこまで考えはじめると成型色での表現の範疇を超えちゃいますね。
森/まぁ、そのあたりは世のモデラーさん達が塗装で表現してくれる事に期待! だな。
根/森さん、ご自分で塗ってみては…?
森/時間がなぁ…。
根/…はい。
森/それにしても、実際正規の成型色で組み上げたの見るとオモロいね、このOMG・テムジン(笑)
根/え、オモロ、ですか? そ、それってカッコよく無いってことですか…!?
森/いやいや、そういう意味じゃなくてね。 商品として華のある状態って言ったらいいかな。 あくまでオレの主観だけどね、例えばOT・ライデンはランナー状態、あの箱にプラモデルのパーツとしてみっしり詰まってる状態が見てて一番ニヤニヤしちゃうんだよ。 で、今回のOMG・テムジンはパチ組状態がそれに当たるなぁ、と。 あ、もちろん完成状態の出来がいい(カッコいい)のが大前提だよ。
根/ははぁ、なるほど。森さん的な『その商品のツボ』なんですね!
森/そういうこと。 ハイエンドCGからのリバースコンバートで、OMG・テムジンのプラモデルとしては必要充分な、って言うか完璧に近い完成度だけど、それ以外にプラモデルという商品として興味深い所や付加価値を感じられる所ってことだね。
根/森さんにそう言っていただけると『変態』だ『キ◯ガイ』だとか言われながらも設計した甲斐があるっていうものです…(泣)
森/まぁ、『ツボ』は商品によってどの部分に感じるかはまちまちだし、必ずあるって物でもないし、そもそもオレの主観だから。 …あ、別に分割をエスカレートさせれば良いってものじゃないからね!
根/は、はい、わかってます! 森さんだけじゃなく皆さんにも面白さを感じてもらるよう、色々な部分を工夫して行こうと思ってますよ!!
森/そうそう、バランス良くね… でも本心では「もっとバラバラに分割したい」とか思ってるんじゃないの~…?
根/確かに…い、いえ、決してそんな事は…(汗)
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「OT・ライデン/社内原型師インプレッション」
桑村 祐一[Kuwamura Yuichi]
株式会社壽屋 企画部開発課原型係所属[変わった形のメカ担当]
普段の業務はメカ班にて原型や完成品の製作などを。好きなバーチャロイドはバルバドスとか、見果てぬ夢を見ています。普通のメカもちゃんと好きですよ。
はじめまして、コトブキヤ・原型部門の桑村といいます。
発売を待ちに待ったOT・ライデン! 購入して頂いた皆さんは年末年始のお休みで組まれましたか?
僕もサンプルを頂いたので、早速組んでみました。 社内で色々話していたところ企画の根本に「じゃあ、ブログ用のコメントにまとめてみて」と突然頼まれまして、慌てて書いてみた次第です。
で、先ず、組んでみた感想としては、とにかくパーツ点数が多いです。
ただ、多いといっても無駄に多いわけではなく、色分け・形状の再現など目的を持って設計された分割が殆どですので、作業が進むにつれてその量にも納得していただけるのではないかと思います。
僕が一原型師として気に入っている部分は各部のクリアーパーツの表現で、裏側に格子状のモールドが施されています。 塗装完成品もこの部分は僕が担当したんですけど、このクリアーパーツの裏面にシルバーを塗っておくとより良い感じになります。 光が当たったりしたときに出る立体感がとてもナイスです!
特にOT・ライデンは正面から見た時のクリアーパーツの面積が比較的広く、その効果も大きいですね。 メタリック系のテープなどを使っても良い感じになるのではないかと思います。素組み(いわゆるパチ組)派の皆さんもここだけは是非やってみてください。
プロポーションについても完璧なものと思います。
ライデンは一般的な人型と比べ、
・胸~腰が極端に短い
・脚が極端に長い
・肩が極端に高い
など、五体を一揃い備えつつも明確な意図をもって標準から外し、その中でバランスをとっている節があるので、それを表現できたことは面白いと思います。 個人的にも、こういった変拍子が好きなもので。 無論ハイエンドCGからの立体出力のお陰なので、これは以降のシリーズにも期待できると思います。
また、個人的に不満点を挙げると、各部の可動関係が惜しい感じです。
単純な強度面では、肩口のジョイントがバイナリー・ロータス装備時に心許無い事や(それでも出来る限り大きいジョイント用意したとの事)、肘や足回りの関節に素で立ってる分にはまとまっていて綺麗なのですが、動かした瞬間にそれが崩れてしまい、可動範囲も少々物足りない感じです。 ボムを投擲した時の全身を捻って左腕を振り上げたポーズとか出来れば… などなど色々希望はありますが、そこは自分のライデンを趣味で作るときに取り入れようかなと妄想中です(笑)
仕事とは別に、以前バーチャロイドを個人でスクラッチしたことがあるんですが、ハイエンドCGで示された構造・デザインを損なうことなく可動を得るというのはかなり難しく(更に強度を伴わなければならない)、今後個々の商品に取り組むときの課題になりそうですね。
自分はハイエンドCG(3DCG)という限りなく立体物に近い二次元の画像を見て、絵に描いた餅とは正にこの事とか、遠い目をしていました。
それが文字通り現実のものとなりました。絵に描いた餅が、餅になったのだと。
OT・ライデンの開発中、光成型部品~原型、完成品、テストショットを見たときにそう思いました。
今回OT・ライデンについて「関わった者としての反省点」=「1ユーザーとしての不満点」を様々感じましたが、それらはライデンが立体化されたことの感慨と同時に自らを含めた反省点として、以後の原型製作や商品開発に活かしていこうと、現場の一端にいるものとして常に意識をしています。
その出発点となるOT・ライデンを応援して頂けますよう、宜しくお願い致します。
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