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開発秘話 Archive
OMG・テムジン/ファーストテストショット公開!!(後編)
森氏の模型部屋って一体どんな部屋なんでしょうか? それはともかく、今回は何かと話題を呼ぶ(笑)部品分割図についてのお話です。
…前編からの続き
根/わ、わかりました! そこにはもう突っ込みませんから!!
森/わかってくれたかね! でもね最低限の手間や道具で設定カラーを再現できる、っていうのは忙しい人にもぴったりなんだなと思ったよ。
根/そうなんですよね! 本当は塗装の楽しみまで味わって欲しいんですけど、時間や環境がそれを許さない人も多いと思いますんで、がんばって分割案を作ってます!
森/ああ、あれね(笑)あの手描きの『部品分割案図』については毎回味わい深くて良いなぁ、と思ってる。
でも、そんな図についても容赦なく突っ込みは入れるわけだが。「ここ、こう変更すれば合わせ目が前面に来なくて済むんじゃない?」とか「プラだと保持できないだろうから、ここABSかポリキャップにならない?」とか。
挙句の果てには「すまん!今からだと金型改修になっちゃうけど、やっぱ気になるから短縮して!」とか(笑)…普通、監修ってここまで口出しするもの? 他社さんはどう?
根/他の版権元さんは基本的に原型までですね。『プラモデル』に詳しい方が担当だと、原型監修時に「ここの強度は大丈夫?」くらいのことは話題にでますが、分割案やCADについてご意見を頂戴するのはコトブキヤ商品としてはセガさんだけです!!
森/あ、そうなんだ。 まぁオレもモデラーだし、有井君もオモチャやプラモが大好きだからね~。 勢い細かいところまで口を出しちゃうんだよ。っていうか、それ位しか突っ込むところが無いとも言えるんだけど(笑)
根/はい! 大概の版権元さんはキャラクターの再現としての造形面はチェックするけど、「プラモデルとしてのクオリティはコトブキヤの範疇(責任)で」というスタンスですけど、このバーチャロン プラモデルシリーズについては、ハイエンドCGモデルからのリバースコンバート技術のおかげで『キャラクターの再現度』についてはコトブキヤ的にほぼやることはないので、商品としての『プラモデル』についても色々と意見を言ってもらえるのは有難いです!
森/本当は「うるさいな~」「しつこいな~」とか思ってるんじゃない?
根/い、いえ、そんなことは…。 それに修正が必要ってことは僕の案がまだまだ甘いということですから。 いまに修正が必要無いような完璧な分割案を出してみせますよ!!
森/お、カッコいいじゃん。 じゃあ次の機体はそれでヨロシク~♪ 期待してるぜ、任せた!!
根/え!? あ、す、すいません、せめて次の次とかでご勘弁を…(泣)
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OMG・テムジン/ファーストテストショット公開!!(前編)
OMG・テムジンのファーストテストショットを見た森氏。なにやら思うところがありそうですが…?
森/さて…、どうしたものか…。
根/え、な、なんですか!?
森/OT・ライデンではデザインの複雑さから諦めざるを得なかった『黒いところ』も、OMG・テムジンではついに色分け分割の対象になったわけだが…。 キミ、頭おかしいんじゃないの!?
根/そ、それは褒め言葉として受け取っていいんですよね!?
森/半分は褒めてる。 半分は呆れてる(笑)まだ、正式な成型色じゃないけど、これだとほとんど塗るとこないねぇ。
根/はい!もうスミ入れレベルで済んじゃいますね!
森/しかしまぁ、OT・ライデンでも言われてたことだけど、なぜそうまでして分割する? バーチャロンだけじゃなくてコトブキヤさんのキットってことごとく粉々だよね(笑)?
根/それはたぶん僕のせいです(笑)『アーマード・コア』や『ゾイド』のシリーズ初期は僕の設計でして、かなり分割にはこだわりました。今回、テムジンも実は僕の設計です!
僕自身、少し前から商品をお買い上げいただいているお客様にとって、「塗装する」ってことが高いハードルになっていると感じている部分がありまして、だったら組んだだけで見栄えのする設計にしようと思いまして。
副産物として塗装派の方もパーツ単位で塗って組み立てられるので、「マスキング要らず」っていうのもありますけど。
森/なるほどねぇ。確かに、ウチにも塗装できる道具や環境は一通りあるけど、時間が無かったりでなかなか塗装まで行かないもんなぁ。
根/そういえば『OT・ライデン組んじゃったよ!!』の時の画像に写ってたのは森さんのご自宅ですよね? かなり良いコンプレッサーもお持ちのようですが、模型用の作業スペースがあるんですか?
森/作業スペースっていうか、模型部屋。 四畳半の一室まるまる模型用の作業部屋にしてる。
根/そ、そうなんですか!? …そんな立派な専用部屋がありながら○ッキーですか…。
森/うるさいな~、この前も言ったけど時間が無いんだよ! 本当にこのサイトや、あれやこれやをやらなくていいんだったら…
根/わ、わかりました! そこにはもう突っ込みませんから!!
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「カトキハジメ氏よりコメントを頂きました!」
コトブキヤ バーチャロンプラモデルシリーズ第一弾「ライデン DNA SIDE」発売記念!
バーチャロイドの生みの親であるデザイナーのカトキハジメ氏よりコメントを頂きました!!
バーチャロンが世に出てから13年ほど経ったでしょうか。
これまでもバーチャロイドは何度となく、プラモデルやアクションフィギュアになって来ました。そんな中、この度コトブキヤさんからまた新たなプラモデルのシリーズが展開されるとの事で、とても嬉しく思います。
これまでのバーチャロイドのプラモと比べて、このシリーズの新機軸であり楽しみなところは、既に皆さんもご承知の通り、細かいパーツ分割でカラーリングを再現しようと試みている所です。
もちろんプロポーションや関節の具合も、今日の標準を上回る仕様になっている事でしょう。
バーチャロンの最初のシリーズ「OMG(オペレーション・ムーン・ゲイト)」に登場したバーチャロイド達は当時のCPUの限界から、非常にシンプルなデザインでしたが、今回コトブキヤから発売になるライデンは、第2シリーズ「オラトリオ・タングラム」からのモデル化です。
この第2シリーズからは、ゲーム機の基板でカラーテクスチャーが使える様になり、一気にカラフルなバーチャロイドに世代交代して行ったのです。
VO世界のカラフル化を決定づけたこの世代のライデンを、新発売のプラモデルで組める様になった事に感謝したいと思います。
「電脳戦機バーチャロン」キャラクターデザイン:カトキハジメ
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「OT・ライデン生産中!現場直撃レポート(その2)」
こんにちはバーチャロン企画担当・根本です。
前回では、成型までを追っかけてまいりました。
この後は、成型不良などの確認を行いまして、いよいよ梱包に入ります。
ランナー1枚ごと(ものによっては2枚)をPP(ポリプロピレン)の袋に入れまして、最後に当ブログ・12月9日の回で紹介したインスト(説明書)、デカールとともに、梱包です。
有井さんデザインのカッコイイあのパッケージに格納され、ライデン一丁出来上がり! というわけです。
この後、さらに段ボールに梱包され、いざ日本に向けて出発! なわけです。
「いま梱包?」と思った皆さんは鋭いです!
この記事の掲載段階で今回の梱包作業をしてると、皆さんのお手元にお届けするのは、来年になっちゃうのです!
実はリアルタイムでは、すでにOT・ライデンは工場から出荷され、現在輸送中。 23日あたりから店頭に並び始める予定です。(地域によって差があることをご了承下さい)
ということで皆さん、OT・ライデン発売までいよいよ秒読み段階です! もうほんのちょっとだけお持ち下さい!
森/なぁ、コトブキヤ 秋葉原ラジオ会館店で予約ってできるの?
根/はい!大丈夫ですよ!!…あれ? 森さん、どうしたんですか!? 今回は森さんの登場予定は無かったはずですけど…?
森/いや、せっかくだから発売日に買いに行こうと思ってね♪
根/あぁ、なるほど! …って、えっ? ちゃんと商品サンプルをお送りしますよ!?
森/うるさい! 店頭で買いたいんだよ!!
根/は、はい! 失礼しました~(なんで怒られてるんだろう…泣)
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「OT・ライデン生産中!現場直撃レポート(その1)」
こんにちはバーチャロン企画担当・根本です。
さて、発売まで、いい加減。じれったくなってきた皆さん!
すいません、さらに火に油を注いじゃいます!
お待ちかねのOT・ライデンが中国工場にて生産が行われている様子をお届けします!
特に今回は、画像を多めに臨場感満点でお届けしようと思います。
プラモデルの生産ですが、これまで、当ブログコーナーにお付き合い頂いた皆さんにはなんとなく想像できると思いますが、金型の修正、成型色の確定が決まると(実はここまでが大変)あとは、スイッチ~オ~ン!
…ではありませんが、黙々と成型し続けるていくのみなのです。
あまり簡単に書くと、現地スタッフの皆さんに怒られそうなので、補足しておくと、成型という工程を数多く繰り返すので、逆に同じ品質を保つために色々頑張らないとダメなのです!!
さらに、成型されたランナーを1枚1枚工員さんが確認してもらってます。(本当は「成型」も一言では済まないのですが、技術論になるので割愛!)
このようにして、OT・ライデンのランナー(成型品)たちが生産されているのです。
(つづく)
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「中国工場開発担当・菅野よりコメント第2弾(苦労話編)」
2度目の登場となります、中国駐在・工場はり付き開発担当の菅野です。
今回は「世界名作劇場的な苦労話を」という感じで、そのあたりの話に触れてみたいと思います。
コトブキヤのバーチャロン・シリーズでは、ハイエンドCGから直接1次原型を作成するという「リバース・コンバート」なる技法がもちいられております。
開発・菅野がタッチするのはそのあとの、1次原型をさらにプラモデル用のデータとして変換する作業でありますが、たとえば有能な通訳さんが、自国語を他国語に完璧に変換することは難しいがごとくに、変換工程において、どうしてもわずかな「ニュアンスの相違」的な変換齟齬のようなものが生じることがあります。
それは、概ね1次原型の細かな部分で生じます。たとえばエッジとエッジがぶつかる角のC面の微妙な形状の差異だったりとか、はたまた、小さなモールドの「わりと表現レベル」の形状のわずかな狂いだったりとか….。それらはすべて修正対象となりますので、
●部品図面チェック
↓
●3Dデータチェック
↓
●光成形出力機による金型前成形サンプルチェック
●さらに金型を彫ってからも、成形サンプルのチェック
この様に、さながら絨毯爆撃的な確認・修正業務が続きます。
原型とハイエンドCG画をもとに、ひたすらに見比べて確認する毎日でありました。そんな日々も、生産が一段落した今となっては、良いおもひでであります。
そんなこんなで、ひたすらにもくもくと日々=(イコール)ハイエンドCGな確認業務を続けておりますと、当然といえば当然ですが、開発期間は百代の過客のごとく、どんどん過ぎていきます…….。
「ヒト・モノ・カネ」とはよくいいますが、プラモデル開発も同様に、この三命題の束縛から自由なわけではけっしてありません。
金型がいったんできてからも、実際に商品となる状態までは、何度もテストショットをくりかえして厳しいチェックをしていきますが、特にこの段階では、日々時間との戦いの様相を呈してきます。
生産開始までのスケジュール管理、中国人の現地スタッフとの金型修正の相談、はては工場駐在ゆえの、コトブキヤ本社とのさまざまな折衝等、日々時計の秒針音が「カチカチ」と脳内にコダマする、そんな仮想ドーパミン的な仕事がつづきます。わりと普通には見えないものが、見えるようになったりするときもあります(羽の生えた小人とか。パトラッシュ、僕はもう疲れたよ…)。
まあ、すでに出荷が近づいた今となっては、めくるめく人生、有彩色の1ページであります。
OT・ライデンに限ったことではないのですが、中国の現地スタッフとのコミュニケーション・ミスはわりとよくある話しです。
今回も成形サンプルを確認中に、1次原型には存在しないナゾの凹モールドを確認したため、(金型を)削って無くしてくださいとの依頼を欠けたところ、近接した本来必要な凹モールドも同時に消失(!)したなどを筆頭に、いろいろさまざまなミステイクのうえに、また「失敗は成功の母」がごとくに、製品版のOT・ライデンがこの世に存在しているのです。(問題の凹ディテールは、その後無事復旧しましたが….。(頭部のどこかデス))
そんな数々の失敗も、今となってはまるで無限に繰り返される学園祭前日のように、極彩色な夢の時間をすごしていたようなものでありました…..。
わりと長くなってしまいましたが、そろそろ時間がよろしいようですので、このあたりで。
ぜひとも製品版OT・ライデンをよろしくお願いいたします!!
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OT・ライデン付属品について語ります!
こんにちは、コトブキヤ・バーチャロン企画担当の根本です!
ついに発売間近となってまいりましたOT・ライデン!!
今回は、成型部品以外の付属品についてつらつらと語ってみたいと思います。
まず、プラモデルキットには当然入っている「組み立て説明書」模型業界的には「インスト」って呼んでますね。 インストラクションの略で、「インスト」って呼ぶとプロっぽい感じが出ます。 で、まあ、これがなくてはプラモデルは成り立たないわけです。
今回のOT・ライデンの説明書では、「電脳戦機バーチャロン」シリーズ・プロデューサー、Dr.ワタリによる機体解説+αを、当初の予定をはるかに超え、何と10000字オーバー! で載せちゃってます!
ここまでの量になるとはDr.ワタリも予想していなかったらしく、(当然我々も予想できてません!)当初のページ数や構成を変更するという事態にあいなっております(いや、ありがたいことです!)新規のハイエンドCG画像も多数掲載されていますので、気分はもう小冊子レベルです!(さらに、あっとおどろくネタも仕込んであります!)
OT・ライデンの組み立てに疲れた時などに、気分転換の読み物としても楽しんでもらえばと思います。
また、カラーガイドについても、何気にセガさん提供のハイエンドCGを使わせてもらっていたり割と贅沢なつくりになっております。 市販のプラモデル用塗料に準拠した配合比率(カラーレシピ)も、もちろん載せてますので、ぜひ塗装にもチャレンジしてくださいね!!
このカラーレシピ、さすがにセガさん提供というわけではないのですが、(まあ当然です)元になった完成見本(パッケージ横の写真)に実際に塗った色を作った時に、使った色をメモしてもらってものを基本に記載しています。 ただ、完成見本は、撮影~印刷の工程を経ているので「現物=写真そのまま」にはならないのですが、色関係には超コダワリのセガ・有井さんがOKを出した完成見本の色ですので、目指してみるのも一興かと思います。
さて、もう一つの付属品として、デカールがあります。
バーチャロン・プラモデルシリーズに関して、マーキングを「水転写デカールで行こう!」と決めたのは他でもない僕、根本ですが、これもやはり「塗装派の方の為に!」ということです。
ハイエンドCGのような質感表現を目指すなら、光沢仕上げに綺麗に映える水転写デカールで行くしかなでしょう! と。(そしてスリット部の黒は艶消しで決まり!ですね)
もちろん、成型色での素組みでも綺麗に仕上がります(その場合は、成型部品表面の油分をふき取るとベストです)
当然、裏面にのり付きの所謂「シール」という選択肢も当然考えたわけです。シールはデカールに比べ簡単に貼れるというメリットがあり一見簡単に思えるのですが、やはり段差に対する処理(透明余白部分をギリギリまで切るなど)を考えると、結果的に高い技術を要求してしまうのでは、という事も水転写デカールを選択した理由です。
また、「水につける」というひと手間があるものの、逆に言えば、「それだけで綺麗なマーキングが施せる」とも言えるわけです!
といった感じで、成型部品以外の部分にもこだわり満載のOT・ライデン!
もう少しで皆さんのお手元に届きますので、小皿に水を入れてお待ちくださいませ!
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